
スマートファブにおける熱管理の仕組み
スマートファブを構築するということは、単にセンサーを機器に取り付けて、うまくいくことを願うだけではありません。実際には、熱をどのように捉えるかという視点を変えることが重要です。
ウェーハの処理においては、非接触型の赤外線センサーが使用されています。赤外線センサーの利点は、ウェーハに触れない点です。触れないため、汚染の心配もありません。また、センサーが放熱装置として機能し、測定結果に影響を与える心配もありません。センサーは遠距離からウェーハを監視するだけです。
熱のデジタル的な可視化
具体的には、赤外線センサーがウェーハ表面から発せられる放射エネルギーを検出します。最新のシステムでは、この生の熱エネルギーをPLCやSCADAシステムが理解できるデータに変換します。これは非常に迅速に行われます。数ミリ秒で済みます。300mmウェーハ上の「ホットスポット」をすぐに把握できます。もし加熱を急激に行った場合、その温度分布の変化がすぐに分かります。そうすれば、ウェーハが変形する前に、電力供給を調整して温度分布を平準化することができます。これは大きなメリットです。
フィードバックループの構築
スマートファブでは、フィードバックループが不可欠です。これらの赤外線センサーを直接、機器の制御ロジックに接続します。システムは表面温度をチェックし、望ましい温度と比較し、即座にヒーターの出力を調整します。もう推測する必要はありません。そうすることで、全体的な熱処理プロセスのデジタルツインが得られ、各ウェーハの熱分布が明確になります。これにより、品質検査員が来た時にすぐに対応できます。
デメリット(完璧なものはない)
ただし、精度を追求するにはいくつかの問題があります。赤外線センサーは放射率に敏感です。ウェーハのコーティングや材料を変更すると、放射率の値が変わります。再校正しなければ、実際には存在しない「偽の温度」が表示されます。また、センサーとウェーハの間の光学ガラスも清潔でなければなりません。もしガラスに汚れが付くと、信号が遮断されてしまいます。そうなると、再び最初からやり直さなければなりません。